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非常時の連絡体制は委託契約で何を決める?設置者の確認項目

依
依田尚人

著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表

11分
目次

外部委託の承認に係る委託契約には、点検頻度とともに、災害・事故など非常時の設置者と委託先の連絡、双方の義務・責任を定めることとされています。事故や災害が起きたときの連絡、保安規程に定める非常の場合の措置、事故報告は、根拠と役割が異なります。三つの定めを分けておくと、設置者が確認する承認要件と連絡体制を整理できます。

非常時連絡は委託契約で確認する事項である

委託契約に定める非常時の事項は何か:災害・事故時の連絡、設置者の義務と責任、委託先の義務と責任
委託契約に定める非常時の事項は何か:災害・事故時の連絡、設置者の義務と責任、委託先の義務と責任

外部委託の承認に係る委託契約には、災害・事故時の連絡、設置者の義務と責任、委託先の義務と責任を定めることとされています。連絡と責任を契約に書いておくことは、点検頻度とともに承認の要件となる事項です。電気事業法施行規則(2026-04-01施行の版で確認・確認日 2026-09-08)第53条第2項第5号を根拠に、契約で確認する内容を整理します。

委託契約で確認する事項条文上の位置付け
点検の頻度告示が定める頻度で行うこと
災害・事故時の連絡設置者と相手方の連絡
双方の義務と責任設置者及び相手方の相互の義務及び責任

委託契約は、保安管理業務を委託することのみを内容とする契約であることも承認の要件です。その契約に非常時の連絡と双方の責任を定めることで、設置者、相手方、法人の場合の保安業務担当者が確認する関係を整理します。契約書を確認する際は、承認の要件として定められた事項が含まれているかを見ます。[出典:電気事業法施行規則第53条第2項第3号・第5号、確認日:2026-09-08]

事故・災害時の連絡を定める根拠

第53条第2項第5号は、委託契約に災害、事故その他非常の場合における設置者と相手方との連絡を定めることとしています。法人に委託する場合には、保安業務担当者を含む連絡が定める事項になります。事故・災害時の連絡を、日常の点検だけに関する取り決めとせず、承認の要件として確認します。[出典:電気事業法施行規則第53条第2項第5号、確認日:2026-09-08]

設置者と相手方の義務・責任

同号は、設置者及び相手方の相互の義務及び責任その他必要な事項を委託契約に定めることとしています。承認を受けた設置者は、保安を確保するに当たり、委託契約の相手方の意見を尊重しなければなりません。設置者の義務と責任、委託先の義務と責任を分けて把握すると、非常時に連絡する相手と報告を求められる立場を混同しにくくなります。[出典:電気事業法施行規則第53条第2項第5号・第4項、確認日:2026-09-08]

保安規程にも非常時の措置を定める

保安規程と委託契約はどう違うか:保安規程は非常の場合に採るべき措置、委託契約は非常時の連絡
保安規程と委託契約はどう違うか:保安規程は非常の場合に採るべき措置、委託契約は非常時の連絡

保安規程は非常の場合に採るべき措置を定め、委託契約は非常時の連絡を定めます。保安規程と契約を混同しないことで、設備の保安に関する内部の定めと、外部委託に係る連絡の定めを分けられます。電気事業法(2026-08-03施行の版で確認・確認日 2026-09-08)第42条と、電気事業法施行規則第50条第3項第6号を確認します。

定めの種類非常時に関する内容
保安規程災害その他非常の場合に採るべき措置
委託契約災害・事故その他非常の場合の連絡と相互の義務・責任

保安規程には、巡視、点検及び検査、保安についての記録とともに、災害その他非常の場合に採るべき措置を定めます。委託契約は、外部委託の承認要件として非常時の連絡を定めるものです。どちらも非常時に関係しますが、根拠条文と定める事項を対応させて確認します。[出典:電気事業法施行規則第50条第3項第3号・第6号・第7号、第53条第2項第5号、確認日:2026-09-08]

災害その他非常時の措置の位置付け

自家用電気工作物の保安規程には、災害その他非常の場合に採るべき措置を定めることとされています。保安規程は、保安を一体的に確保することが必要な事業用電気工作物の組織ごとに定めるものです。非常時の措置を保安規程で確認することと、委託契約に連絡を定めることを別の項目として把握します。[出典:電気事業法施行規則第50条第3項第6号、確認日:2026-09-08]

契約と保安規程を混同しない考え方

委託契約は、承認を受けた外部委託に関する設置者と相手方の関係を定めるものです。保安規程は、設置者とその従業者が守る保安に関する定めであり、災害その他非常の場合の措置も記載事項に含まれます。非常時の連絡が必要な場面では、保安規程の措置、委託契約の連絡、事故報告の制度を同じ項目として扱わずに確認します。[出典:電気事業法第42条第4項、電気事業法施行規則第50条第3項第6号・第53条第2項第5号、確認日:2026-09-08]

事故の報告と非常時の連絡をつなげて確認する

報告の義務と契約の連絡はどうつながるか:委託先からの連絡、報告を求められる設置者、所轄の産業保安監督部への速報
報告の義務と契約の連絡はどうつながるか:委託先からの連絡、報告を求められる設置者、所轄の産業保安監督部への速報

委託先からの連絡、報告を求められる設置者、所轄の産業保安監督部への速報は、一つの流れに見えても根拠が異なります。報告の義務者は設置者のままであり、委託先からの連絡は契約で定める事項です。電気関係報告規則(2025-11-20施行の版で確認・確認日 2026-09-08)第3条と、委託契約の定めを対応させます。

整理する事項根拠上の役割
委託先からの連絡委託契約に定める非常時の連絡
報告を求められる設置者電気関係報告規則第3条の義務者
所轄の産業保安監督部への速報対象事故の速報の報告先

事故報告の対象となる場合、原則の報告先は電気工作物の設置場所を管轄する産業保安監督部長です。事故の発生を知った時から24時間以内の速報と、委託先から設置者への連絡は、どちらも非常時に関係しますが同じ義務ではありません。報告を求められる設置者と、連絡を受ける相手を区別して連絡体制を確認します。[出典:電気関係報告規則第3条第1項・第2項、電気事業法施行規則第53条第2項第5号、確認日:2026-09-08]

委託契約に定める連絡では、非常時に誰から誰へ情報を伝えるかと、双方の義務・責任を確認します。報告規則では、対象事故、報告先、速報と詳報の期限を確認します。事故の報告と非常時の連絡をつなげて確認する際も、契約上の連絡経路と法令上の報告義務を別の根拠として整理します。[出典:電気事業法施行規則第53条第2項第5号、電気関係報告規則第3条、確認日:2026-09-08]

委託契約の連絡の定めと事故報告の義務者を取り違えない(電気関係報告規則第3条)

電気関係報告規則第3条の報告は、自家用電気工作物を設置する者に求められています。委託先との連絡や双方の義務・責任は委託契約に定める事項ですが、委託契約の連絡の定めが報告を求められる設置者を変更するものではありません。委託先からの連絡と、設置者が確認する報告対象・報告先を分けて把握します。[出典:電気関係報告規則第3条、電気事業法施行規則第53条第2項第5号、確認日:2026-09-08]

24時間以内の速報と委託契約の連絡の定めの関係(電気関係報告規則第3条第2項)

対象事故については、事故の発生を知った時から24時間以内に、可能な限り速やかに電話などの方法で速報します。委託契約で定める非常時の連絡は、設置者と相手方の連絡、双方の義務・責任を確認するための定めです。速報と契約の連絡を同じ期限や同じ義務として扱わず、報告の定めと連絡体制を対応させます。[出典:電気関係報告規則第3条第2項、電気事業法施行規則第53条第2項第5号、確認日:2026-09-08]

承認の要件としての連絡の定め

連絡の定めは承認とどう関係するか:承認の要件、要件に該当しなくなったとき、承認の取消し事由、担当者や連絡場所の変更
連絡の定めは承認とどう関係するか:承認の要件、要件に該当しなくなったとき、承認の取消し事由、担当者や連絡場所の変更

承認の要件、要件に該当しなくなったとき、承認の取消し事由、担当者や連絡場所の変更を分けて確認します。連絡の定めは承認の要件の一つであり、承認後も要件に該当しているかを確認する対象です。担当者や連絡場所の変更は、法人の保安業務担当者と主たる連絡場所の要件に関係するため、契約の非常時連絡と対応させて整理します。

承認に関する項目確認する内容
承認の要件点検頻度、非常時の連絡、双方の義務・責任など
要件に該当しなくなったとき承認の取消し事由
担当者や連絡場所の変更保安業務担当者と主たる連絡場所の要件

外部委託の承認では、法人の場合に保安業務担当者が定められていること、相手方又は保安業務担当者の主たる連絡場所が事業場に遅滞なく到達し得る場所にあることも要件です。条文は到達までの時間の数値を置いていないため、連絡場所の確認を時間だけの比較に置き換えません。承認の要件として、連絡の定め、担当者、連絡場所を分けて確認します。[出典:電気事業法施行規則第53条第2項第2号・第5号・第6号、確認日:2026-09-08]

承認の要件を確認する場面では、委託先の組織名や形態だけで適否を判断せず、条文に示された契約、担当者、連絡場所の条件を確認します。設置者が保安を確保するに当たり相手方の意見を尊重する義務も、第53条第4項に定められています。非常時の連絡を含む契約の定めと、承認後に確認する要件を対応させて把握します。[出典:電気事業法施行規則第53条第4項・第5項第1号、確認日:2026-09-08]

要件に該当しなくなると承認の取消し事由になる(電気事業法施行規則第53条第5項第1号)

第53条第5項第1号は、同条第2項各号のいずれかに該当しなくなったときに、承認の取消しに関する定めを置いています。点検頻度や非常時の連絡、双方の義務・責任が委託契約に定められていることは、同条第2項第5号の要件です。承認後も、連絡の定めが承認の要件の一つであることを確認します。[出典:電気事業法施行規則第53条第2項第5号・第5項第1号、確認日:2026-09-08]

保安業務担当者や連絡場所が変わるときに確認すること(同第53条第2項第2号・第6号)

法人に委託する場合は、保安業務担当者が定められていることが承認の要件です。また、保安業務担当者の主たる連絡場所が事業場に遅滞なく到達し得る場所にあることも確認します。担当者や連絡場所が変わるときは、非常時の連絡の取り決めと、承認要件に関する情報を分けて確認します。[出典:電気事業法施行規則第53条第2項第2号・第6号、確認日:2026-09-08]

まとめ

非常時の連絡体制の整理:委託契約、保安規程、事故の報告
非常時の連絡体制の整理:委託契約、保安規程、事故の報告

非常時の連絡体制は、委託契約、保安規程、事故の報告という三つの定めを分けて確かめます。定めを分けて確かめることで、委託先との連絡と設置者に求められる報告を同じ役割として扱わずに確認できます。委託契約では連絡と相互の義務・責任を、保安規程では非常の場合に採るべき措置を、事故報告では設置者、報告先、速報と詳報を確認します。承認と契約の確認は切り替え前の承認と契約の要点、到達性と連絡体制の比較は電気保安の緊急対応、事故の要件は波及事故の報告要件、速報期限は電気事故の速報期限も参照してください。

事故や災害に備える際は、委託先からの連絡、設置者に求められる報告、承認の要件を同じ役割として扱わずに確認します。連絡の定めが委託契約にあり、保安規程の非常時の措置と対応していることを把握すると、設備の保安に関する確認事項を整理しやすくなります。

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よくある質問

Q. 委託契約には非常時の連絡を定める必要がありますか?
委託契約には、災害・事故など非常時における設置者と相手方の連絡、双方の義務・責任などを定める必要があります。その定めは外部委託の承認の要件の一つです。[出典:電気事業法施行規則第53条第2項第5号、確認日:2026-09-08]
Q. 保安規程にも非常時のことを書きますか?
自家用電気工作物の保安規程には、災害その他非常の場合に採るべき措置を定めます。委託契約の連絡事項とは分けて確認します。[出典:電気事業法施行規則第50条第3項第6号、確認日:2026-09-08]
Q. 連絡の定めが委託契約にないとどうなりますか?
点検の頻度や非常時の連絡、双方の義務・責任などが委託契約に定められていることは、外部委託の承認の要件の一つです。承認後に要件に該当しなくなったときは、承認の取消し事由とされています。[出典:電気事業法施行規則第53条第2項第5号・第5項第1号、確認日:2026-09-08]

出典

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