法令・制度解説

太陽光発電所と蓄電所の主任技術者を外部委託できる条件

依
依田尚人

著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表

8分
目次

太陽電池発電所と蓄電所の主任技術者を外部委託できるかは、設備の種類だけでは決まりません。出力と連系等の電圧を同じ時点の設備情報で照合することが、条件確認の出発点です。

太陽光発電設備と蓄電設備を同じ敷地で運用していると、名称や契約単位で一括して考えたくなります。しかし、外部委託承認の条件は施行規則の設備区分に沿って確認します。

第1号の条件、相談前にそろえる情報、他の設備区分との違いを整理します。

本記事で分かること

  • 太陽電池発電所と蓄電所に共通する条件
  • 出力と連系等の電圧を確認する方法
  • 設備資料を区分して準備する理由
  • 需要設備との読み分け

結論:太陽電池発電所と蓄電所の外部委託条件の確認方法(早見表)

太陽電池発電所と蓄電所は出力5,000kW未満と電圧7,000V以下での連系等を組で満たすときに外部委託承認の対象となる設備です。施行規則第52条第2項第1号は、太陽電池発電所又は蓄電所を同じ号で定めています。

制度の全体像は主任技術者の外部委託、委託先に確認する事項は電気保安の委託先の受託要件、設備変更時の確認はキュービクル更新時の委託先見直しを参照してください。

確認項目第1号で確認する内容設置者がそろえる資料
設備区分太陽電池発電所又は蓄電所設備一覧、配置図
出力5,000kW未満仕様書、系統構成
連系等の電圧7,000V以下単線結線図、仕様
確認時点現在又は変更後の状態図面の版、予定日
太陽電池発電所と蓄電所の外部委託条件を確認する設置者向け図解1
太陽電池発電所と蓄電所の外部委託条件を確認する設置者向け図解1

第1号が定める二つの条件を読む

第1号では、設備区分に加えて出力と連系等の電圧を組み合わせて確認します。一方の数字だけを満たしても、外部委託承認の対象であると直ちに判断することはできません。

出力の条件を確認する

太陽電池発電所又は蓄電所については、出力が5,000kW未満であることが条件の一つです。設置者は、設備一覧の出力値がどの資料に基づくものかを確認し、増設予定を現在の値に混ぜないようにします。

同じ敷地に複数の設備がある場合は、設備名ごとに出力を整理します。電力を使用する設備の規模や、建物全体の契約容量を、発電所又は蓄電所の出力と取り違えないことが大切です。

連系等の電圧を確認する

第1号は、電圧7,000V以下での連系等という条件も置いています。単線結線図や系統図を確認し、どの接続状態について電圧を読んでいるかを明確にします。

電圧の記載が複数の資料で異なるときは、古い図面を前提に決めません。資料の作成日、改修の有無、連系等の構成を確認し、相談する設備の状態を一つに定めます。

太陽電池発電所と蓄電所の外部委託条件を確認する設置者向け図解2
太陽電池発電所と蓄電所の外部委託条件を確認する設置者向け図解2

設置者が委託の相談前にそろえる設備情報

設備の名称と条件を対応付けておくと、委託先や所轄へ確認したい点を具体化できます。太陽電池発電所と蓄電所を同じ設備名だけでまとめないようにします。

太陽電池発電所と蓄電所を区分する

太陽電池発電所と蓄電所は、第1号で並んで定められていますが、設置者の設備一覧では用途や設置場所が異なる場合があります。配置図、単線結線図、仕様書を照合して、どの設備がどちらに当たるかを整理します。

施設名や事業名称が同じでも、設備の区分まで同じとは限りません。相談資料には、設備名、所在地、出力、連系等の電圧、使用開始又は変更の予定を分けて記載します。

確認時点を記録する

更新や増設を計画しているときは、現在の条件と完成後の条件を別に扱います。予定図だけを現在の設備情報として使うと、相談先との認識がずれるため、どちらの状態について確認するかを明示します。

回答を受けたら、参照した資料、図面の版、確認日を残します。設備構成がさらに変わった場合には、その記録を起点に再確認する事項を洗い出せます。

太陽電池発電所と蓄電所の外部委託条件を確認する設置者向け図解3
太陽電池発電所と蓄電所の外部委託条件を確認する設置者向け図解3

需要設備の条件と混同しない

発電所又は蓄電所の条件を、需要設備にそのまま当てはめることはできません。設備区分ごとに施行規則の号を確認します。

出力条件を需要設備へ持ち込まない

第1号の5,000kW未満という基準は、太陽電池発電所又は蓄電所について示された条件です。需要設備の外部委託承認を考える際に、この出力条件をそのまま使うことはできません。

一つの施設に需要設備と発電設備が併設される場合でも、設備ごとに条件を読んで資料を分けます。説明の便宜で一つの数字に置き換えると、どの設備に関する条件かが不明になります。

個別適否を断定しない

出力と電圧の記載が条件に見合う場合でも、個別設備が承認の対象となるかは、資料と現在の状態で確認します。制度説明だけで自施設の適否を確定させず、必要に応じて所轄の産業保安監督部へ確認します。

委託先へ相談する場合も、設備名、出力、電圧、所在地、変更予定を共有します。回答に条件が付くときは、その条件を設備一覧に結び付けて残します。

太陽電池発電所と蓄電所の外部委託条件を確認する設置者向け図解4
太陽電池発電所と蓄電所の外部委託条件を確認する設置者向け図解4
太陽電池発電所と蓄電所の外部委託条件を確認する設置者向け図解5
太陽電池発電所と蓄電所の外部委託条件を確認する設置者向け図解5

第1号の条件を資料ごとに照合する

太陽電池発電所又は蓄電所についての相談資料では、設備区分、出力、連系等の電圧を一つの一覧に対応付けます。仕様書だけに出力があり、別の図面だけに接続状態がある場合は、共通の設備名又は管理番号を付けます。

出力5,000kW未満という条件は、太陽電池発電所又は蓄電所に関する第1号の数値です。建物全体の使用条件や、同じ敷地にある別の設備の数値を置き換えに使いません。

連系等の電圧は、どの接続状態を指すのかを単線結線図で確認します。改修や増設によって図面が複数あるときには、現在の構成と計画後の構成を別の資料として扱います。

太陽電池発電所と蓄電所が併設される場合は、同じ号にあるからといって設備情報を一つにまとめません。各設備の名称、所在地、出力、接続状態を区別すると、相談先の回答対象が明確になります。

資料を更新した後は、確認日と図面の版を一覧に残します。第1号の条件を確認した際の前提をたどれるようにすると、将来の設備変更でも再確認する項目を見つけやすくなります。

太陽電池発電所と蓄電所の第1号条件を設備資料から読み分ける

第1号では、太陽電池発電所又は蓄電所について、出力5,000kW未満であり、電圧7,000V以下で連系等をすることを同じ設備について確認します。出力だけ、又は電圧だけで対象性を結論付けることはできません。

設置者は、設備の種類、定格出力、連系等の電圧、所在地を、仕様書、単線結線図、系統図及び設備台帳で対応付けます。建物側の使用条件を、発電所又は蓄電所の出力として扱わないようにします。

太陽電池発電所と蓄電所は同じ第1号に掲げられていますが、需要設備とは確認する基準が異なります。需要設備は受電電圧、発電所又は蓄電所は出力と連系等の電圧を確認するという違いを保ちます。

水力・火力・風力発電所やその他の発電所には、それぞれ別の号の条件があります。発電設備という共通の言葉だけを手掛かりに、別の出力基準を代用しないようにします。

増設、蓄電所の追加又は連系変更が予定される場合には、現行設備と予定設備を分けて資料を整えます。いつの設備状態について照会するかを示すことで、回答の対象範囲を明確にできます。

資料の記載が一致しない場合は、設備ごとの種類、出力、電圧、図面の版を整理して所轄へ確認します。確認結果を設備台帳に結び付けて残せば、将来の変更時にも再確認の根拠になります。

まとめ

太陽電池発電所と蓄電所の外部委託条件では、出力5,000kW未満と電圧7,000V以下での連系等を組で確認します。

設置者は、設備区分、出力、連系等の電圧、資料の確認時点を対応付けます。併設設備がある場合も、条件を設備ごとに読み分けることが重要です。

よくある質問

Q. 太陽電池発電所と蓄電所は別々の条件ですか?
施行規則第52条第2項第1号では、太陽電池発電所又は蓄電所を同じ号で定め、出力と連系等の電圧を確認します。
Q. 5,000kW未満なら外部委託できますか?
出力だけで結論は出ません。電圧7,000V以下での連系等という条件も、同じ設備資料で確認します。
Q. 蓄電所を追加する予定がある場合はどうしますか?
現設備と追加後の設備を分け、出力、電圧、図面の版、予定時期をそろえて確認します。
Q. 建物の使用電力を出力として扱えますか?
発電所又は蓄電所の出力と、建物側の使用条件は別に整理します。資料上の設備区分から確認します。

出典

本記事の出典は に内容を確認しています。

  1. 1.
  2. 2.
    電気事業法(e-Gov)(laws.e-gov.go.jp)